はじめに
先日受検した「第25回 農業簿記検定2級」の合格発表があり、無事に合格することができました!

少し前にある研究会で農業簿記の説明をしてくれた先輩診断士の話を聞く機会があり、農業簿記というものがあるのを知りました。私の中で、いつか東京以外でも経営支援したいという想いがあり、その時に農業簿記を知っていたら何かのきっかけになるのではないかと考えて、簿記は得意分野でもあるので、挑戦してみることにしました。とはいえ、1級はがっつり勉強しないと難しいだろうと思い、ちょっと勉強すれば行けるかなと安易な考えで2級を選択しました。
普段から会計や税務、経営支援に携わっている私ですが、一般的な商業簿記・工業簿記とは異なり、農業特有の取引(生物資産の評価や農作物の原価計算など)を学ぶ中で新たな気づきがたくさんありました。
ここでは「農業簿記検定2級の基本情報」と、「第25回試験の概要(合格率や傾向・ネットの反応)」についてまとめてみたいと思います。
1. 農業簿記検定2級とは?(試験科目・時間・受験者傾向)
まず、農業簿記検定の全体像についてご紹介します。
農業簿記検定は、一般財団法人 日本ビジネス技能検定協会が主催している検定試験で、農業経営における会計知識や記帳技術、財務管理の能力を測定するものです。
概要一覧
| 項目 | 内容 |
| 主催団体 | 一般財団法人 日本ビジネス技能検定協会 |
| 試験時間 | 120分(13:00〜15:00) |
| 試験科目 | 農業簿記の基礎・取引、農業特有の勘定科目・決算処理、原価計算(2級:財務会計・原価計算分野から25問) |
| 出題形式 | 五肢択一(マークシート方式) |
| 合格基準 | 総得点の70%以上 |
2級の特徴と受験者の傾向
日商簿記などの基礎知識があるとスムーズに入りやすいですが、最大のポイントは「農業特有の会計処理(生物・育成資産や収穫物など)」と「部門別・作物別の原価計算」です。
- 主な特有テーマ: 育成資産(果樹・家畜など)の減価償却・棚卸、収穫物の売上原価計算など
- 受験者の傾向:
- 農業法人・農家の経営者や経理担当者
- 農業協同組合(JA)の職員の方
- 農業参入を検討している企業の担当者
- 会計事務所・税理士事務所・中小企業診断士など、農業支援に携わる専門家
2. 第25回 農業簿記検定2級の概要(合格率・傾向・ネットの反応)
続いて、今回実施された「第25回試験」の概要や印象について見ていきます。
合格率と難易度の印象
- 第25回 2級試験結果: 受験者数166 に対し、合格者82名(合格率49.4%)
例年の2級合格率は、おおむね40〜50%台で推移しています。
回によって難易度の波がありますが、今回の第25回は「基礎的な勘定科目の処理をしっかり押さえていれば得点源にできる一方、原価計算や集計問題でやや計算の手間がかかる問題が含まれていた」という印象です。
私は、ほとんどこれまでに見た問題が多く、それほど迷わなくて安心していたのですが、最後の大問(問題18~25)で計算した結果がどの選択肢にも当てはまらなくなってしまいました。どこかで計算間違いをしているのではないかと何度も見直したのですが、計算ミスはしていません。時間が過ぎていき、刻一刻と残り時間が減っていくのを確認しながら、焦りつつ、落ち着け落ち着け!と自分に言い聞かせて、どこかで間違ったはずなので、一つ一つ確認していきました。残り時間もほんの2~3分まで迫った時に、もしかしたら減価償却が違うのでは?と気づいて計算しなおしたら、なんとそれに続く設問もちゃんと選択肢があるではないですか。ほんとに最後の終わり!の掛け声がかかると同時に最後の問題まで回答することができました。
それでも後で見直したら、ちゃんと解けていたのに、1問解答を選び間違えるという失態。とほほ。
ネット・SNSでの受験者の反応
試験直後からSNSや受験者の間では以下のような声が見られました。
- 「120分あっても原価計算の集計でギリギリになった…」
- 「テキストや過去問のパターンを反復しておいて助かった」
- 「農業特有の用語や減価償却の考え方を直前に復習しておいて良かった」
やはり「120分の中で、焦らずいかに効率よく計算・解答を進められるか」が合否の分かれ目になったようです。
3. 私の勉強法
受験までの勉強法と、実際に受験してみて思ったこと。
ちなみに、私は日商簿記1級を持っており、普段から仕訳に触れる仕事をしているので、簿記の検定が初めての方や普段会計に携わっていない方の参考になるとは思いませんので、そこは割り引いてお読みください。
- テキストは買わなかった。
- 購入したの協会公式の過去問題集のみ。

- いきなり過去問を解くことから始めた。第24回→23回→22回→21回と直近のものから4回分、最近2年分を解いた。古い問題は制度や傾向が変わる可能性があると考え、あまり古い問題に戻る必要はないと考えた(特に減価償却は、旧定額法、旧定率法、250%償却などがリアルで生きていた時代の問題で正解できても意味がないから)。それより直近数回の問題を2回転、3回転することで同じ傾向の問題が出たときに高得点が取れるように質を上げることに重点を置いた。偉そうに書いてるけど、結局この4回分を1回転した後に、第24回だけ2回転目を解くのが精いっぱいだった。
- 試験時間は、最初の2回分(24回、23回)は計らずに、時間がかかっても最後までやりきることにした。
- 毎回解き終わると、間違えた問題や、たまたま合っていたけど一部の選択肢の内容を理解できていなかった問題などを振り返り、調べながら、理解するまで確認した。ここでは生成AIにだいぶお世話になった。
- 間違った問題はノートを作成した。同じ問題が出たら同じ間違いをしないように、過去問に取り組む前に一度このノートを一読した。以前、診断士試験の時もノートを作っていたけど、やはり、ノートにまとめると自分で理解しないと書けないし、書くことでいったん自分の中に落とし込めている気がして、自分には合っているようだ。
- 初めて第24回を解いたときは何の準備もせずいきなり解き始めた。なめすぎてた💦
120分では終わらず、確か150分くらいかかって、正解13個(52点)・・・
その後、上記のノート作成等をその都度取り組み、徐々に点数は上がっていき、コンスタントに8~9割取れるようになった。
4月18日 第24回 13/25(52%)
6月20日 第23回 16/25(64%)
6月20日 第22回 22/25(88%)
6月21日 第21回 20/25(80%)
6月28日 第24回 22/25(88%) - 過去問を解いた時間と、調べたり、ノートを書いたりする時間をトータルすると、たぶん15-20時間くらいだろうか。よくこの程度で合格できたな。少し舐めすぎだと思う。
- やはり過去問は実際に出題されたものだけあって、これが時間内にどれだけ正解できるかを図るには一番。実際に受験してみて、改めて最強のトレーニング方法だと思う。
おわりに
昨今の農業経営は、資材価格の高騰やスマート農業の導入など、より高度な経営管理・数値管理が求められています。その中で、農業簿記の知識は「農業経営の見える化」を図る強力なツールになると改めて実感しました。
中小企業の経営支援や会計指導の現場でも、今回の学びをしっかり活かしていきたいと思います。
そして、いつか農家支援もやってみたいなー。
今後受験される方の参考になれば幸いです!
