中小企業白書2023セミナー

中小企業白書2023解説セミナー セミナー

先日、私が所属する中小企業診断士の研究会、TAMA活性化支援グループで開催された第105回オープンセミナーにて、講師として登壇しました。

なぜ中小企業白書なのか

中小企業白書のセミナーは、2021年版から職場の顧客向けセミナーなどを含め、3年目となりました。

中小企業白書をテーマに取り上げるのは、統計資料や中小企業施策を除いても、本文だけで550ページあり、毎年まず読み切るのがつらいのですが、中小企業経営に役立つネタの宝庫なので、セミナーのテーマにすることで自分も限られた時間で読むことになるので、あえて選んでるという訳です。

今回の副題は、「概要版より2倍詳しい中小企業白書解説」としました。概要版は、白書と同様、中小企業庁から中小企業白書から抜粋した資料として作成されており、今年の概要版は中小企業白書と小規模企業白書に関する内容で45ページでした。私のセミナーのスライドは表紙や謝辞も含めてですが、107ページありますので、およそ2倍ということでそのようなタイトルといたしました。

もちろん概要版で得られる情報もまとまっていて、十分参考になる資料です。しかし、中小企業白書だけで550ページあり、小規模企業白書の内容も含め、45ページではどうしても省くところがあるわけです。その省かれた部分にも、役に立つ情報はたくさんあるんですよ、ということを伝えたいという想いも含めた副題でした。

中小企業白書とは

中小企業白書は、中小企業・小規模事業者の動向や成長の取組について分析した報告書で、企業事例を交えて説明しています。2023年版は2023年4月28日に閣議決定され、今年で60回目の発行となりました。同時に小規模企業白書も発行されており、こちらは9回目となります。

白書は、法律により作成が義務付けられている法定白書と、政府が自主的に発行し閣議で承認された日法定白書がありますが、中小企業白書は法定白書の一つです。通常、〇〇白書と呼ばれますが、外交分野だけはなぜか「外交青書」とされており、昔発行し始めたころの表紙が青紙だったなど、諸説あるようですが、明確な理由はなさそうです。

2023年版の中小企業白書の構成は下記の通りでした。
例年、第1部は前年の中小企業の動向、第2部は中小企業が取り組むべきテーマで分析しています。

2023年版の特徴

第2部では、第1章でリスキリングに経営者が率先して取り組むべきとか、第2章の事業承継・M&Aや起業・創業はここ数年毎年のように取り上げられています。

ただ、今年昨年までと違ってずいぶんあちこちで取り上げているなと感じたのが、「地方の格差解消」です。第1章第3章では、「地域の包摂的成長」という項で地域格差の解消で国全体の経済成長を目指すことについて分析したり、第5章でも企業誘致の誘因などを論じています。第2部第3章ではデジタル環境の地域間格差がその地域の中小企業のデジタル化の進展にリンクしていることを説明しています。少なくとも2021年・2022年にないほど、地域間格差の解消について言及していた気がします。

まとめ

中小企業白書は中小企業の経営者にとって、経営のヒントになる項目が詰まっています。ぜひ多くの経営者に伝えたい!と今年も実感しました。また、我々中小企業診断士はもっとこの内容を経営者に伝えていかなければいけない、とも思いました。今回の研究会での発表で、ひとりでも中小企業白書について理解を深め、支援先のアドバイスにお役立ていただければ嬉しいです。


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